噛み合せと体の歪み | 歯の噛み合わせガイド

噛み合せと体の歪み

歯は親知らずを除いて大人なら28本あります。 みなさんのほとんどの人は歯というものの役割が、食べ物を噛み砕いて飲みやすくするもの、または言葉を発音するときに、はっきりしゃべれるようにするものだと思っていると思います。 確かに上記の機能は歯の役割です。

しかし、歯にはもっと特別な機能があることを知っている人は少ないのではないでしょうか。 そのもうひとつの役割というのは健康にとても重要で、またコレを知っているのと知らないのでは、その後の人生に影響を与えるといっても過言ではありません。 何かといいますと、それは「歯の噛み合わせが体の歪み(姿勢)と健康の良否を担っている」ということです。 歯の噛み合わせと体の歪みが関係あるといわれてもなんのこっちゃ??と、お思いの方がほとんどと思います。

しかし、コレは事実なのです。 歯科のなかではだんだん常識になりつつあります。 というのも、歯科でも一昔前まではあまり知られていなかったからです。

詳しく説明しますと、アゴには咀嚼筋という、口を開けたり閉めたりする筋肉が付着しています。 咀嚼筋の種類には側頭筋、咬筋、外側翼突筋、内側翼突筋などがあります。 これらは頭蓋骨を起点としてアゴに左右対称に付けられています。 この左右対称に筋肉があるというのが重要なのです。

ちょっと考えてみてください。 何らかの原因で左右対称にあるアゴの筋肉の片方だけが凝って短くなったらどうなると思いますか? ずばり、アゴの片方の筋肉のコリが首に波及し首が傾き、顔が歪み、顎関節症になり、肩が凝り、背骨が歪み、姿勢が崩れ、側湾、腰痛になり、O脚、X脚、めまい、自律神経失調症、不眠、偏頭痛を引き起こすことがあります。

5キロもある頭が常に傾いている状態です。 これは片足だけ下駄を履いて生活するのと同じようなものです。 体に良くないのは一目瞭然です。 もちろん、両方の筋肉が凝ってもよくありません。 過蓋咬合(下顎が引っ込んで出っ歯に見える)の人なんかは両方の筋肉が凝っている確率が高いです。 目安は前歯の重なりが上の歯で下の歯の半分以上重なっていることです。

これを引き起こす原因というのが、ずばり「悪い歯の噛み合わせ」なのです。 どういうことかといいますと、下のアゴは頭蓋骨に筋肉によってプラプラブランコのようにぶら下がっているだけのようなものなのです。 この左右対称にある筋肉が下のアゴを一番いい位置で安定させようとしています。 この位置をアゴの「筋肉位」(きんにくい)といいます。

それとは別に上下の歯で噛んだときに、歯同士が噛み合って安定する位置があります。 コレを「咬頭カン合位」(こうとうかんごうい)といいます。 噛んだときにこの二つの位置がぴったり重なっていることがとても重要なのです。 この二つのアゴの位置が重なっていることを「良い噛み合わせ」というのです。

でも、そうでない場合が日本人はほとんどなのです。 歯並びが悪かったり、出っ歯、受け口、虫歯や外傷、歯周病による歯の欠損、または歯の噛み合わせの事を無視した入れ歯、銀歯など、あごの位置を偏移させる要素はたくさんあります。 日本人のデンタルIQが低すぎるのです。 これは由々しきことだと私は思います。